書類のワンポイント

自家用電気工作物の立入検査で困らないためのアドバイス

事前に確認して、不足していれば書類を探すなど対応しておくことが大切です。普段から用意してあれば、立入検査が決まっても慌てなくて済みます!備えあれば憂いなし! 

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余計なアドバイスですが、御理解いただけたら幸いです。


 

1.月次点検

立入検査では、月次点検の履行確認を点検日・点検者・点検結果・お客様確認者の記述や押印など5W1 H(いつ・どこで・だれが・何を・なぜ・どのように)を意識し確実に明記されているかを 、調査します。

1⃣お客様の履行確認印が毎回押印されているか?漏れがないか?

訂正箇所が横棒で消してあるだけでは?データや記述の修正箇所に訂正印は?

月次点検表も保存が義務付けられた書類です。念のため改ざんは御法度です!

パソコンで管理している場合も、履行確認はチェックされますので、どのようにして履行確認しているかの説明が必要になり、説明が不十分では改善を求められます。

2⃣設備の不具合箇所の明記、その後の改修結果などもチェックの対象です。

不具合箇所があれば、必ず改修されてなければなりません。「予算がなかったので、出来ませんでした。」では、当然ですが通りません。予算は関係ありません、すぐに改修するように、指摘があります。御注意を!改修が高額になるような不具合箇所は、点検表に明記する前に、必ずお客様としっかり協議して下さい!

また、過去3年分の月次点検表が、必要です。管理技術者・管理会社が変更になっていても必要です。点検関係書類は、大切に保管しなければなりません。

書類を3年以上保管するの画像

 

2.年次点検・竣工試験

1⃣年次点検は、毎年点検や無停電点検など、点検頻度のチェックがあります。

無停電点検 電気管理技術者が確実に無停電点検ができるよう無停電点検マニュアルを作成、「保安規程(無停電年次点検)」「設備条件確認書(無停電年次点検)」も必要です。

2⃣随時の年次点検で、トランス絶縁油・遮断器の検査をしていますか?

3⃣竣工試験 使用前自主検査

使用前自主検査は、電気設備を安全に、かつ、法令に遵守した設計・施工が行われていることを確認する最終検査で、接地抵抗や耐圧試験の規定値と継電器試験の判定用管理値が明記されているか?どのように良否を判定しているのかを明確にする。

4⃣短絡電流計算書のB種接地抵抗や各種継電器の管理値は確認していますか?

 間違った管理値では、良否の判断・意味がなくなってしまいますよね!

5⃣機器の校正

各種試験機器は正常な機能と精度を有していることが保証された校正した試験機器でなければ、記録された数値の妥当性の評価ができない、試験機器の校正証明書・トレサビリティなどを請求されることもあります。

6⃣停電点検注意事項の掲載と手順書のビジブル化

停電する際の注意事項継電器試験の注意事項などをまとめ必ず掲載し、資料として保存することは、技術の伝承として安全対策として、必要不可欠です。

手順書や報告書に写真や図面・コメントを多く取入れビジブル化をして誰が見てもわかりやすくしたいものです。手順書やチェックシートを見直しましょう結構大変ですが必要です!

7⃣報告書は、締めくくりに行う最も重要な仕事です。誤字脱字はもちろんのこと、データの不備などないよう、プロフェショナルな報告書を提出したいものです。また提出先は当然の事ですが設置者です。くれぐれもお間違いないように

県の設備は、県知事であり、市の設備は、市長様です。ビル管理会社では、ありません。良く間違いを見受けます。一度見直してみましょう!

また、現場工程などに、使用前自主検査工程を必ず取り入れて、無理のない確実な検査を実施できるように施工管理をしていただきたい。


 

3.設備台帳

設備台帳が作成されているか?必ずチェックの対象になります。自家用電気工作物が火災等で復旧するためには、重要な資料となります、必ず作成しましょう。

各設備の機器の詳細・トランスの油量・重量などや修理履歴・更新履歴など記入されていると、設備の調査には一目で確認でき、いろいろと便利です。


 

4.保安管理業務外部委託承認書

中部近畿保安監督部部長印が確認できる正規の書類(コピーは不可)


 

5.保安管理業務外部委託承認申請書(控)

電力安全課の受領印があるもの


 

6.保安業務に関する契約書

契約書は、公文書扱いではありませんが、私文書の重要な書類です。内容の一部が変更になった場合ですが、一部のページを差替えてしまう人達がいます。これは、私文書偽造で違法行為です。パソコンの時代でも、契約書の1ページを簡単に差替えするような感覚では、コンプライアンスは守れないでしょう。注意を促しましたが、受け入れられませんでした。特に、契約書は写しが電力安全課にあります、立入検査の時に照合しますので違っていると大変なことになります。発覚した事例があります。

契約完了後、契約書のページの差替えは、違法行為です。御注意下さい!

修正しなければならないとき、契約書を再発行するのはとても大変です。急いで変更しなくても、変更日時・変更内容を記述して、契約書に添付しておく修正変更が必要な時は、契約した相互に確認を取り、変更箇所を2本線で消し「何文字削除」、変更文字を記入して何文字「加筆」修正者の印を押す。捨印がある場合は、押印は不用。幾度も、内容の一部が変更になる場合もありすぐに変更せず、修正内容の用紙を保管することが良い対応かと思います。


 

7.保安規程届出書(控)

電力安全課の受領印があるもの


 

8.保安規程

保安規程は、自家用電気工作物設置者が、電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の確保を目的として、電気主任技術者を中心とする電気工作物の保安管理組織、保安業務の分掌、指揮命令系統など、いわゆる社内保安体制と、これら組織によって行う具体的保安業務の基本事項を定めるものである。

中部近畿産業保安監督部近畿支部 電力安全課 のホームページに届出に必要な書類の全ての様式例が掲載されているので、参考にして作成してください。


 

9.保安に関する組織図


 

10.電気使用申込書(控)


 

11.短絡電流計算書(写)

必ずチェックされます。中部近畿保安監督部より承認された時点で、中部電力さん主任技術者変更手続きのため、FAXで承認についてのコピーを送付する。その時に、短絡電流計算書の送付をお願いする。

中部電力さんへ主任技術者変更をしてなければ、気が付いた今からでも遅くありません、変更手続きをしましょう。

火災の時、中電さんが主任技術者に連絡したら変わっていたため、対応が遅れてしまった事が時々あるようです。

短絡電流計算書

短絡電流計算書は、受変電設備と電力会社との保護協調を確立するための重要なデータです。受変電設備の設計や管理するためには、不可欠です!

高圧配電鉄塔の画像

 

12.付近状況・見取図・使用区域図

中電柱・中電開閉器が記入してあり、中電の番号などもあると良さそうです。古い付近状況・見取図、使用区域図だったり、住所が古いままなど、使い廻ししていると間違ってるかもしれませんよ!

法人で保安管理されている主任技術者様、きっと古いままのがあると思います。どうですか?

付近見取図、使用区域図

付近見取り図、使用区域図

中電柱や責任分界点などに相違がないか、記載漏れなどがないか、今一度、チェックしましょう!

指摘があれば返答がすぐに出来るようにしておきましょう!



 

13.単線結線図

中電柱・中電開閉器の番号を記入しておくと、何かと重宝します。

改修はしたが、単線結線図はまだ古い以前の設備のままではありませんか?

急いで、見直しましょう!

単線結線図をキュービクルや電気室に掲示してありますか?要チェックです

単線結線図


 

14.絶縁監視装置

絶縁監視装置の警報発生受信記録は3年間保存が義務付けられています。立入検査時、絶縁監視装置警報通信の確認をするため、確実に通報するか?事前にチェックしましょう!

設定は、50mAです、大きくしていませんか?設定が大きくなっていれば、理由をはっきりさせて、指摘があればすぐに返答が出来るようにしておくと安心ですよ!

お知らせです! 小規模キュービクルの漏電監視に最適!

マルチ計測器 MLA-200IRV  2018.2より発売!

絶縁監視装置

 

新タイプ 絶縁監視装置です!

安全・簡単 電圧入力不要 

ZCTのみでIor方式を可能にした。 


Ior方式が簡単にZCTの装着のみで、測定可能になりました。ノイズに強く確実に漏電を検出、誤報がなくなります。取付に設備を全停電する必要がなくなった!

電気管理技術者 待望のIor方式絶縁監視装置です!

新製品 LS-4SIRV通報機能付Ior方式絶縁監視装置 2018年秋ごろ発売!

新製品絶縁監視装置

マルチ計測器独自のIor測定方式は、絶縁監視装置の電源を、測定回路の電圧位相に変換し、ZCTで検出した漏れ電流値と演算してIorを算出する。(特許申請中の商品です。)


絶縁監視装置の欠点がなくなりましたよ!

新設キュービクルには、ぜひとも設置したい逸品です。

必ず主流になるはず。先取りしましょう!

今まで待ったのは、正解です!

・マルチ計測器がメールサーバを用意することでサーバ使用料の大幅削減を実現

・KDDI 4G LTEを採用
・設置場所に行くことなく設定の変更が可能
・各項目の現在値を「いつ」「どこにいても」確認可能
・豊富な通報機能:漏電/温度/接点/停電復電/定期通報/電池交換/テスト通報

・設定用ソフトウェアが不要、設定サイト「MULTI Measure & Trace」で簡単に設定
・通報時の測定値をサーバに保存、通報履歴を確認できるほか、トレンドグラフの表示やCSV出力が可能