電気管理技術者は、ベテラン技術者が培った経験を次の時代に受け継ぐ事も必要ですが、現状の知識や技術に絶えず疑問を持ち、絶え間なく・より新しい情報に耳を傾け、技術の進歩に遅れることがないようにしたいものです。
余計なアドバイスですが、御理解いただけたら幸いです。
メニュー ファーストステージ電気管理技術者からよくある質問 Q & A
A 1
単位の記述 kVAはKVAどちらにしてますか?
単位のキロボルトアンペア・キロボルト・キロアンペアを
kVA→KVA・kV→KV・kA→KAと、高圧電気関係では、
キロを大文字のKで記述している事が多く、申請書類でも
よく目にします。キロの単位の世界標準は、小文字kです。
メガは大文字のMでいいのですが、キロは、小文字のkを
使用するよう、推奨します。
どうして大文字を使用するようになったかは、トランスの
刻印が間違ってKを使用したのが、きっかけのようです。
申請書類等で大文字のKを使用している事例がありますが、
現在なんら問題もないようで、どちらも使用されています。
どちらでも良いと思うのですが、
一度、国際単位系(SI) SI接頭辞で調べてみて下さい。
低圧の電気関係は、小文字のkに統一されているようなので
高圧の電気関係も世界標準に統一してはいかがでしょうか?
いろいろ、報告書・単線結線図など修正は大変ですが、
少しづつ修正していくことをお勧めします。
そのうち、申請書類の単位は世界標準でと、決まるかもしれ
ません。今のうちに、準備をした方が良いかと思います。
ちなみに、私は自分の報告書・図面すべて修正しました。
当然のことですが、学校教育ではキロの単位は小文字kです。
若い人には、常識になっていると思います。
コンピュータなどの情報や記憶装置の単位でも、大文字のK
を使用してKBと表示している場合が多くあり、規程があるわ
けではないが、やはり単位としては小文字のkとしたい。
いずれにしても、厳密にいえば大文字は慣用でしかない。
A 2
電気機器記号の規格で、以前はコイルがバネのような図となって
いましたが、現在は〇だけに規格が変更されています。
しかし、高圧単線結線図のCTの記号などは、古い記号で作図されているのを多く見ます。他の機器も、まったく違う表記や図で
申請されている事が多々あるようです。機器の番号までも間違えている図面を、使い回ししているので、間違ったまま受継がれてしまっています。出来れば、高圧単線結線図も、JSIA・JIS規格で作図するよう心掛けたいものです。
また、単線結線図といえども図面なので、知的財産権で守られて
いる場合は、安易に複製(コピー)することは控えましょう。
告訴に至った事例があります。
個人名・法人名が書かれている場合は、特に注意が必要です。
間違った認識や古い考えは、通用しないこともあります。
単線結線図の作成・修正は、重要な電気主任技術者の仕事です。
管理している事業場の、単線結線図を見直してみましょう!
御連絡いただければ、単線結線図の作成・修正などお受けします。
A 3
各種保護継電器について、ネットで詳しく講習を受けられます。
三菱電機さんの FAeラーニングのなかの
配電制御機器(保護継電器編)は、初心者にもわかりやすく
いつでも、何度でも、気軽に受講出来ます。
過電流継電器、地絡方向継電器から特殊な保護継電器などの
説明があり、内容も盛りだくさんになっています。
興味のある方は、下の三菱ロゴリンクボタンで確認して下さい。
三菱電機さんのFAメンバーズに登録が必要ですが
簡単な登録です。登録すると、三菱電機さんの各種機器の資料
もダウンロード出来るようになります。
新しい保護継電器の説明書なども手に入りますので、管理値
などの確認が出来ます。
少し前までは、取扱説明書や資料集めが大変でしたが、
今は、ネットでいろいろ調べられるので、便利になりました。
三菱電機(株)ウェブ事務局様には、画像の使用とリンク設定使用を承諾して頂きました。
三菱電機(株)様 御配慮有難うございます、今後ともよろしくお願い致します。
オムロンさんも、だれにでもわかるオムロンの保護継電器と省エネ機器というサイトがあります。必見の価値がありますよ!
リンク用ロゴマークをクリックして確認して下さい。
A 4
高圧絶縁用保護具・ヘルメットなど耐電圧試験していますか?
保護具の着用は?検電器は必ず使用していますか?
見えない電気、特に高電圧を扱う電気保安管理技術者は、安全に対する認識を常に高いレベルにしたいものです。ベテランの電気保安管理技術者は、若い新技術者の手本であり指導的立場です。例えば、電柱を昇ることはほとんどないとしても、電気保安管理技術者としては、安全帯の使用方法を熟知し昇柱が安全に出来るよう指導出来なければなければなりません。
気の緩みが規律を乱し、全ての安全を無視するようになります。
事故が起きてからでは遅い!を周知徹底し、受継がなければ!
個人事業主は社長だから、安全は個人で気を付ければ問題ない
また、最近では、新品のヘルメットも安価に手に入り耐電圧試験を2回するより安いから、試験はしないという考えの管理技術者もみえます。絶縁用防・保護具類の耐圧試験(絶縁用保護具の絶縁耐力試験)を、事業者には、高圧の活線または近接作業に用いられる絶縁用防・保護具類は、労働安全衛生規則第351条において定期自主検査が義務付けられています。
高圧絶縁用保護具は、使用前点検を実施するようになっていますので、半年ごとは、不可能としても、年に一度はしたいものです。
しかし、なかなか出来ないのが、現状です。点検していない保護具・防具をよく見かけますが注意はしません、モラルの問題なので本人次第ですね?
私は、ヘルメット・グローブ・ブーツ毎年耐電圧試験しています。
試験の途中で、防具の不具合を何回か発見しています。ですから、やっぱり耐電圧試験はしておくのが安心です。若い保安管理技術者の皆様!お願いします!安全は、自分で守ってください!とはいっても、やはり自分の考え次第ですから?費用もそれなりに、少しはかかります、やれる範囲で、たまには耐電圧試験をお願いします。
高電圧用保護具・防具の耐電圧試験を上記のように行ってい
ます。絶縁ゴムに、ピンホール・ヒビや割れがないかなどの
劣化の確認もしています。
ご希望があれば、お気軽に御連絡下さい。
結局は宣伝?と思われるかもしれません。いいえ、安全第一です。
A 5
注油
この数滴が
機器の寿命を延ばす!
受変電設備の年次点検で、適切な注油をしてますか?
真空遮断器(VCB)には、グリースが数か所に潤滑剤として
使用されています。
グリースは、酸化や熱劣化により基油が分離し硬化するので
特に、屋上キュービクルは、高温多湿でグリースの劣化が
激しく、遮断器の動作不良の要因になっています。
対策として、定期的に油分の補充・注油が必要になります。
遮断器が入らない、蓄勢がロックされない場合は、注油が
必要です。ただし、遮断器のメーカーにより、グリースメイト
など決められた潤滑油があるので、取扱説明書などで確認し
機構部に適切な量を吹付けして下さい。
違う潤滑剤を使用すると、かえって硬化を促進し、動作不良
となりますので、注意してください。
定期的に適切な注油をすれば、遮断器の寿命は延びます。
年次点検で遮断器の動作試験も重要ですが、
注油作業をより大切な保全作業として、最優先に考えたい!
他にも、注油が必要な個所は、いろいろありますヨ!
下記記述は、三菱電機さんの注油要領一例です。
各メーカーのホームページを、調べてみて下さい。
A 6
年次点検で、適切な清掃作業をしていますか?
適切な清掃作業は、絶縁劣化を最小限にします。
清掃作業の重要性は承知しているはずですが、清掃方法を
適切にアドバイス受けたことはありますか?
適当に清掃しているだけでは、まったく効果はありません。
ベテラン電気管理技術者に、清掃方法を質問してみましょう!
御教授して下さるはずです。
どうして、清掃作業をするのかをしっかり理解して下さい。
知っているだけでは、理解しているといえるでしょうか?
粉塵は、微生物を、微生物は小動物を招きますよね。
粉塵は、湿気を集め錆を発生させ、絶縁材の酸化を促進させ
絶縁不良も招く、粉塵は、電気には大敵というわけですネ。
機器により重点清掃箇所があります、把握しましょう。
適切に清掃をすることは、機器の寿命を延ばしますので
注油作業と同じく、重要な大切な作業です。
若い電気管理技術者様、汚れる作業を嫌わずによろしく!
純水での清掃が理想ですが、水道水でもきれいな状態なら
問題はないと思います。さっと汚れを落とし、乾拭きして
乾燥させます。あまりゴシゴシこすると当然、静電気が
発生しますので、適度にします。碍子磨きも適量で!
布は、マイクロファイバーウエスが、毛羽立ちがなく汚れ
が洗剤で簡単に綺麗になり、何度でも使えて、お勧めです。
純水もマイクロファイバーウエスも、ホームセンターで
購入出来ます。
他にも、機器の種類により、注意する点がありますので
自分なりにいろいろと考えてみるのも、いいと思います。
清掃作業の時に、機器の目視点検、ゆるみ・劣化などを
しっかり確認できますよね!完璧な年次点検をよろしく!